■レオとコリーの生い立ち
生まれは王都から遠く離れた小さな村、平凡で幸せな家庭で育つ。
保護されたコリーとも本当の妹のように接し、とても仲は良い。
だが、その幸せは長くは続かなかった。
魔物の大群が村を襲い壊滅状態に、レオとコリーは庇われ無事に逃げ切れたが親と離ればなれになってしまう。死んでしまったのか、逃げ切れたのか。それさえもわからぬまま路頭を彷徨っていた二人を神聖騎士団が保護。
その後行く宛もなく、騎士寮でお世話になることになる。
そこで担当の世話係として出会ったのがルーク。
時が経ち、自分の身は自分で守れるようにとそれぞれ剣や弓を習いレオは傭兵から王宮の騎士団へ、コリーはいまだ行方知れずの親を探す旅にでる。
■ルークとソルフェイズの家系
彼等の一族には元より光の加護があるとされ、個々の能力によりその力を発揮することができる。
魔法を扱うことに長けており、特に治癒能力や闇の浄化・封印を得意とし、代々家業として貴族の中でも活躍してきた。
そして一族に光の加護を与える女神や天使に敬意と感謝を祈るため、一族の中から巫女を選び遣いの者として敬っていた。但し掟があり、巫女になる者は成人(ここでの成人は16)を迎える前の女子でなくてはならない。
代々その掟を守り継がれてきたのだが、ルークの代には条件の合うものがおらず彼が代わりになることになった。
元は分家の生まれだった彼は知名度も低く、表向きは女子と公表された。
真実を知る者の中には勿論、反対する者も多かったが彼にはそれをはね除けるだけの能力が備わっており、彼自身が天使と呼ばれるようになった。
対するソルフェイズは本家の生まれ。力量よりも掟を守ることを重要視し、彼が成人する前に彼女の姉がその後を引き継いだ。
表向きを考慮しルークは亡くなったことになっており、実際はその能力を買われ神聖騎士団へ。
その後病弱だった姉は亡くなり現在はソルフェイズが継いでいる。
■ウルシアと闇
元々ウルシアは普通の人間で、ただの一ソーサレスでしかなかった。
だが、一冊の本によって彼女の運命は一転する。
管理官が闇を封じるために使われたその本は魔導師たちの間でも力の有る者しか読み取ることができず、力無いものは飲み込まれてしまう。
そのため、とても崇高で危険な書物としてフェアリスターで管理されるようになった。
厳重に保管されていたはずのそれは、年月が経つと共にずさんな管理の中で存在も薄れていった。
そうして忘れられ誰の手にも触れられなくなり、封じられていた闇は少しずつ漏れだし、長い月日の間に自我を持つようになる。
闇は封印からの解放と自由な身体、それを手にいれる機会をずっと待ち続けていた。
偶然なのか、必然なのか、そこで本を手にしてしまったのが、ウルシアである。
元々力の無い彼女は闇に飲み込まれ、本来の彼女の意識は眠ったまま。(うっすらと意識がある場合もある)
彼女の身体を使い、表面上の意識は闇が支配している。封印から逃れられたが、本来の力を取り戻し身体と馴染むためにまたある程度の年月を隠れて過ごす。
飲み込まれてからもう何十年と経過した今では彼女の意識までも闇に飲まれ、ほぼ一体化している。そのためか、性格的な部分も本来の彼女らしいおちゃめで風変わりなところがある。
飲み込まれた身体は闇の力で老化せず、基本的に食事を取らなくても平気。
傷付くことはあってもさほど痛みはない、治癒力も若干備わっている。